The悪者になってるオニヒトデ
「オニヒトデ=悪者」という先入観からの正義感で、オニヒトデをむやみに駆除しようとしないで下さい。
逆に増やしてしまったり、有毒の棘に刺されて 命に係わる可能性もあります。見つけても触らないように 踏まないように気をつけて下さい。
サンゴを食い荒らし、海をダメにしていく生物の代名詞としてやり玉に挙げられている“オニヒトデ”。
ウニやナマコと同じ棘皮動物で、全身を鋭い有毒(オニヒトデ粗毒)の棘が覆っているという まさに悪者のヴィジュアルです。
そんなオニヒトデのサンゴ捕食中のショート動画をご覧下さい。
静止画でもいいくらい動きのない動画でゴメンナサイm(__)m
でも、サンゴ捕食中です。
オニヒトデの生態
多数の腕と有毒の棘を持つ大型のヒトデ。
サンゴ礁に生息しビピンナリア幼生期は植物プランクトンを摂取し、その後の幼体では石灰藻やデトリタス(魚の死骸などが分解してできた有機物)を食べるようになり、ある程度の大きさまで成長すると サンゴを食べるようになります。
2年で直径20㎝程に成長し、この頃はすでにサンゴの捕食を行っています。
大きいものでは直径60cmを超えます。
摂食の際は、口から胃を裏返しに出して餌生物に多い被せて消化吸収を行うという これまた悪魔的な食べ方をします。
主にミドリイシ類やコモンサンゴ類を好んで食べると言われています。
オニヒトデは主に夏に放卵・放精を行うそうで、1年間に百万~一千万個の卵を産むと言われています。
寿命は6~7年。
ホラガイがオニヒトデを食べる天敵とされていますが、オニヒトデ1匹を食べるのに1週間かかるという研究結果から、とても天敵とは呼べません。
サザナミフグもオニヒトデを食べるそうです。
恐ろしきその毒
オニヒトデの体表面の多数の有毒の棘には、オニヒトデ粗毒と呼ばれるタンパク毒を有しています。刺されると、棘自体が脆いので 折れて体内に残る事もあり、毒素によって激しい痛みを感じ、アナフィラキシーショックを引き起こして重症、最悪の場合は死に至ることがあります。
もし刺された場合は、ポイズンリムーバーで毒を吸引(口で吸ってはいけません)し、ヤケドしない程度のお湯で患部を温めて、早く病院に行きましょう。
本当にサンゴを食い荒らす悪者なのか
オニヒトデが悪者にされたのは、世界各地で大発生して サンゴというサンゴを食い荒らしてしまったのが原因です。
この大量発生に関して、自然の長期サイクルによるとすると言う説と、人間の環境破壊に要因を求める説がありますが、富栄養化(洗剤や農薬、肥料などに含まれるチッ素やリンがプランクトンの栄養になる為、海水や川の水にふくまれる栄養分が自然の状態より増えすぎてしまうこと)がオニヒトデ幼生の餌である植物プランクトンを増殖させ、大発生につながるとする説が 現在最も有力視されています。
主にwikipediaから引用
各地のダイビングショップや海を守る自治体、研究者の皆さんが駆除活動を行い、いくつかの駆除方法が試されましたが、水中で駆除すれば卵をまき散らし 逆に増やしてしまう為、捕獲して陸で処理する以外に手はなく、手間が掛かる上に駆除しても駆除してもキリがありません。
さて、オニヒトデは ミドリイシ類やコモンサンゴ類を好んで食べますが、このサンゴ類は 成長が早い事でも知られています。
オニヒトデは、この成長の早いサンゴ類を捕食する事で サンゴの多様性を守っている、という見方の偉い学者さん 研究者さんもいらっしゃいます。
確かにバリ島でも、数年前まで何種かのサンゴが見れたポイントが、成長の遅いサンゴがミドリイシ類に飲み込まれてしまい、エダサンゴ一色になってしまったところもあります。
確かに今のオニヒトデは、増えすぎてしまい 各地でサンゴを食い荒らしサンゴ礁をダメにしている事から、更にはそのヴィジュアルも大いに手伝って「悪者」となっています。
ですが、ここからは私見ですが、様々な要因が重なってもいるでしょうし、恐らくはその自然のバランスを崩してしまった人間が原因の根源です。
サンゴ礁を守る為にオニヒトデの駆除は必要な事かもしれませんが、私達の生活そのものを少しづつでも見直していかないと、この問題はいつまでも解決しないかもしれませんね。
オニヒトデは食べれるの?
駆除されたオニヒトデは食べられる事もなく 他に利用先もなく、肥料くらいにしかなっていないようですが、世の中には恐ろしく無茶をされる方もいらっしゃいまして、オニヒトデにあえて刺されたり 食べたりしてる方がいらっしゃいましたので、ご興味ある方の為に ここにリンクを貼っておきます。
でも、くれぐれもマネしないように!ヘタすると命に係わります!