ダイビングで出逢える美しい色合いのウツボ
名前の“ハナヒゲ”だけを聞くと 変なウツボを想像してしまいますが、他のウツボとは一線を画す、英名:Ribbon eel とも呼ばれる、めちゃめちゃ超絶美しい色合いのウツボなんです(#^.^#)
シュノーケリングではちょっと難しいですが、バリ島ではダイビングなら、ビギナーダイバー ブランクダイバーさんから楽しんで頂けるダイビングポイントで狙って潜る事ができます。
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こちら、ハナヒゲウツボの成魚。
体色はパステルなブルーで、鼻から尾まで 背中に黄色のラインが入ってます。
この体色が、世間で知られている?! 一般的な色合いですね。
サンゴ礁域に生息し、体長は80cm前後、長いもので1.3mの個体が確認されています。
円筒形の体で、太さは 太いもので直径3cmほどというところでしょうか。
普段は巣穴から数十センチ体を出していて、小魚などを餌にする肉食性なんです。近づく他のお魚を威嚇したりもする気の強いところもあります(゚Д゚;)
しかし、ダイバーや大型魚のような敵が近づくと、ス~っと巣穴にフェードアウトしてしまいます。
寿命はなんと20~25年と言われていますが(水族館やアクアリウム)、実際 自然下では10年前後という事です。
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鼻孔の先端が花びら状に開いており、これが“ハナヒゲ”の名前の由来と言われていますが、もう少しいい表現の名前を付けられなかったのかと、海中で出会う度に思ってしまいます。
稀~に見れるハナヒゲウツボの全身
普段は巣穴から体を出しているだけで、全身を見る事は出来ません。
ですが、ごくごく稀~に、ホントに稀~に
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泳いで巣穴をお引越しするんです!
この時、全身を見る事ができます!
その泳いでる姿が、まさに新体操のリボンのよう(@^^)/~~~
英名:Ribbon eel というのも頷けますね♪
こういうシーンに偶然出会えるのも、スキューバダイビングの魅力の一つ、ですね(^^)/
年齢と共に変化する体色と性別
ハナヒゲウツボは、年齢と共に体色、そして性別も変化します。
こちらが
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ハナヒゲウツボの幼魚。
真っ黒な体に、鼻から尾まで背中に一本の黄色いラインが入ってます。
生まれた時から、成魚同様 一丁前に 鼻孔が花びら状に広がっています(#^.^#)
体長は60cmほどと言われており、成魚になる前は3cmくらいというところでしょうか。まだ幼い時期は体ももっと短く、太さも1cmもありません。
この幼い時期のハナヒゲウツボも、可愛いんですよ♪
ある程度 歳を取ると、体色の黒が徐々に青に変わり、成魚になります。
この幼魚から成魚までの時期の性別は、皆オスなのだそうです。
魚生の締めくくりにメスになる
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背中の黄色が徐々に広がり始め、最後は全身が黄色に染まります。
ハナヒゲウツボの老成魚と言われる時期です。
この時、ハナヒゲウツボはメスに性転換しているのだそうです。
そうなんで、クマノミなども同様ですが、ハナヒゲウツボの世界では若いメスが存在しません(゚д゚)!
魚生の最後にメスとなり、卵を産んで子孫を残し、産卵後は長生きできず、寿命は短いそうです(数ヶ月という見解アリ)。
ハナヒゲウツボ自体は、日本近海、バリ島を含むインド洋~西太平洋で確認されていますが、全身黄色くなったメスのハナヒゲウツボは、その時期も短い為 世界的にも観察例は少なく、バリ島でも出会えるのは 稀のまた稀 です。
黄色いメスのハナヒゲウツボを一度見つければ、大抵はそこにずっと居ついてくれるので、その期間はダイビングでご案内する事ができるんですが、ある日 急にいなくなっているので、「あぁ、逝っちゃったのかな😢」と寂しくなる、そんな思い入れてしまうお魚です。
個体数減少の軽度懸念にある
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ハナヒゲウツボはウツボですが、他のウツボのように噛まれると危険なお魚ではなく、見た目もキレイな事から、アクアリストからも人気があります。
ですので、主にインドネシアで捕獲されたものが観賞魚として世界に出回っているとの事で、個体数の減少が始まっており、絶滅危惧種まではいかないものの、その軽度懸念にあるそうです。
海水温上昇、埋め立てによりサンゴ礁激減や潮の流れが変わるなど、海洋自体の変化もあります。こういった問題はハナヒゲウツボだけではありませんが、アクアリウムに入れて鑑賞するよりも、やはり海で!生で!直に!見て頂くのが一番いいのではないでしょうか(個人的感想)。
このままでは、数年後にはハナヒゲウツボを「激レア!」と呼ぶ時が来るかもしれません。
自然破壊を止めるなどのお話をすると長くなりますので割愛しますが、そうなる前に、是非バリ島の一層華やかなハナヒゲウツボに会いにスキューバダイビングしに来てくださいヾ(≧▽≦)ノ