器材中心型スポーツ
スキューバダイビングは「器材中心型スポーツ」と呼ばれるくらい、器材に依存して潜るマリンレジャーです。

なので、その器材のどこにトラブルがあっても、危険になったり、続行不可能となったりします。
どんな器材トラブルがあるのか
よくある器材のトラブルは、
- BCDのインフレータが塩噛みすると空気がちょっとづつ入りっぱなしになる
- ファーストステージの中圧が狂うとちょっとづつエア漏れが始まる
- セカンドステージが塩噛みするとちょっとづつエア漏れが始まる
- 各ホースも劣化してくると小さな気泡が出始める
しかし、これらは塩噛みなどで起こる、気付きやすい器材トラブルです。

画像のように 細かい気泡が出始めます。
これは、グリス切れやそろそろ交換時期を知らせる諸症状のようなものですので、この程度でしたら 今すぐどうこうなるような事態ではありません。焦らなくて大丈夫です。
全くない話ではありませんが、いきなりブシューッとエアが漏れたり、ホースが破裂したりすることは本当に稀です。
一番怖い器材トラブルの箇所は

どこにトラブルが出ても嫌ですが、一番怖いのはハイプレッシャーホース~残圧計だと思います。
ダイバーが空気を吸うセカンドステージやBCに空気を入れるインフレータホースは中圧の空気が通ってますが、ファーストステージからハイプレッシャーホースを通って残圧計までは、タンクの中の高圧の空気がそのまま通ってます。
つまり、一番圧力が掛かっているところになります。
なぜここが一番怖い?
ハイプレッシャーホースの劣化してくると、ホースから細かい気泡が出始めます。
焦る事はありません。早い段階で気づき、交換すれば問題ありません。
しかし「まだ大丈夫だろう」と放っておくと、高圧のエアが通っているので、ロープレッシャーホースよりも破裂しやすい箇所です。
そして、残圧計の根本には

こんな小さな部品と、それに小さなOリングが2つ付いてます。
この小さなOリングは グリス切れや劣化をしやすく、残圧計の根元からのポコポコとエア漏れを起こす事があります。
そのまま放置しておくと、いきなりOリングが切れて エア大量漏れを起こす事もあります。
残圧計とホースを分解しないと Oリングの劣化具合などは確認できない箇所ですので、重器材のセッティングの際、残圧計の根元からエアが漏れている音がしないか、また水中で残圧計の根元から気泡が出てないか、必ず“耳と目”で確認して下さい。
トラブルに気付きにくい箇所
上記で紹介したハイプレッシャーホースと残圧計の根元は、他の箇所同様 ちゃんと確認していれば事故を未然に防げる箇所です。
では、こちらはどうでしょう?

重器材のセッティングの際、「ゲージ(残圧計)を人に向けたり ゲージを見ながら空気を開けてはいけない」とご案内してます。
残圧計は伏せてからタンクの空気を開けます。
なぜなら、それは 高圧の空気が残圧計に流れた時、その圧で残圧計のガラスカバーが破裂し

怪我をしてしまうかもしれないからです。
人に当たったり、目に入ったら大変です(~_~;)
本当に稀な事ですが、画像のように ガラスカバーが吹っ飛び、中からボヨヨ~ンが飛び出し、エアも大量放出されてしまいます。
もしこれが水中で起こったら、これは大変な事です(;゚Д゚)
残圧計劣化の例として、コチラをご覧下さい。

随分長く使ったゲージです。

わかりますか?

ガラスカバーが浮き始めてます。
もしこれに気付かずそのまま使い続けていたら、エア漏れどころか 破裂までのカウントダウンになってました(゚Д゚;)
私達は 器材のチェックやメンテナンスをしているので気づく事ができますが、残圧計はゲージコンソールに収まっているので、普通のファンダイバーさんでは気づく事は難しい箇所です。
残圧計の交換時期
もしあなたの器材の残圧計が、次のような症状だったら、そろそろ交換を考えた方がいいかもしれません。
- 針の動きが悪くなる(引っかかったような動きをする)
- エアを抜いても針が0まで戻らない(モノにより、すぐこうなるモノもありますが)
- 水没した
この症状が出てきたら、正しい残圧を表示しなくなる事もありますので、その時は購入店に相談するなどして、なるべく早めに残圧計を交換した方がいいでしょう。
ゲージを太陽の下に放置したり、海中でゲージをスティックの代わりに使ったり、岩やサンゴに引っかけたりなど、乱暴に扱っていると、やはり壊れやすくなります。
残圧計は結構お高いですし、丁寧に扱ってあげて下さいね!
器材トラブルはどうすれば防げる?
残圧計を含め、器材トラブルを未然に防ぐには、まず、器材セッティングの際、もしくはセッティング済みの器材を、下記リストに沿って 必ずご自分でもチェックしてください。
- タンクを開ける際はゲージを伏せてから開ける
- 残圧はいくつ?(200bar前後入ってるか)
- パージボタンが機能するか、ちゃんとエアが吸えるか、吐けるか
- BCDに空気が入るか、抜けるか
- BCDからのエア漏れはないか
- タンクのOリングからのエア漏れはないか
- セカンドステージからのエア漏れはないか
- ゲージ根元からのエア漏れはないか
このチェックを毎回ちゃんと実施すれば、器材不備でダイビング続行不可能になる事はほとんどありません。
何か気になる点があれば、担当ガイドに言って下さい。
そして、残圧計の劣化(寿命)、見えない各Oリングの劣化などの気づきにくい箇所は、定期的にO/Hに出す事で防ぐ事ができます。
まとめ
安全で楽しいスキューバダイビングの為に
- ダイビング器材の自己チェックはしっかりと
- ダイビング器材は丁寧に扱う
- レギュレータの定期的なO/H
この辺りに気をつけていれば、安全で楽しいダイビングを続けてもらえます!
忘れないで下さいね!
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