スムーズに耳抜きして快適なダイビングにする為に
耳抜きが苦手でダイビングから離れてしまった人も少なくないと思いますが、耳抜きはツアー前・ツアー当日の体調が大きく左右する方もいらっしゃいます。
まずは事前にどのようにしたら耳抜きがしやすくなるかをご案内致します。
他の耳抜き方法など、耳抜きについてもっと詳しく知りたい方はコチラをご参照ください。
まず、体調を整える
体調の良し悪しで、耳抜きの具合は随分と変わってきます。
- 風邪気味
- 寝不足
- ひどく疲れている
- 二日酔い
などにならないよう、ダイビングツアー前から風邪などに気をつけ、ツアー前日は深酒を控え、十分な睡眠をとる事が大切です。
耳抜きの事前練習
耳抜きに不安がある方は、ダイビングツアー1週間前くらいから、練習を兼ねて1日数回の耳抜きをしておきましょう。
日頃から耳抜きをしておけば、コツなどもつかめ、抜けやすい耳管になります。
無理に抜いて耳を傷めないようにご注意を。
ツアー当日の準備
- 十分な水分補給
体が潤っている方が耳抜きしやすくなります。食事もとっておいた方がいいのですが、ダイビング前は食べない方もいらっしゃるので、軽くクッキーなどをお好みで。 - ガムを嚙む
走る前の準備運動のように、ダイビング前はしっかりとアゴを動かしておきましょう。 - あごのストレッチ
大きく口を開けたり、左右に動かしたり、前に突き出したり(アイ~ン)すると、耳管が柔らかくなり、耳抜きがしやすくなります。 - 耳の下後ろからあごの骨の付け根辺りをマッサージ
ここをマッサージしてほぐしておくと、耳管が柔らかくなり、耳抜きがしやすくなります。 - 首、肩もほぐしておく
首や肩は緊張などですぐに力が入ったり硬くなったりしやすい箇所です。首の筋を延ばしたり肩を回したりしてほぐしておけば、耳管もほぐれ、耳が抜きやすくなります。 - 鼻はしっかりとかんでおく
鼻水はしっかりと出しておきましょう。
まず落ち着いて 呼吸でリラックス
緊張や焦りなどで気持ちが落ち着かない場合も、耳抜きがしづらくなります。
気持ちを落ち着けてから潜降を開始しましょう。
落ち着かない方は、吐く方を意識したゆっくり深~い呼吸をしばらく繰り返してみましょう。
息をしっかり吐く事で、吸う空気から酸素を取り込み、落ち着きやすくなります。
潜降前、マスクを少し上げて、鼻から呼吸すると落ち着きやすくなります(鼻から水を飲まないよう気をつけて下さい。波がある日はやらないように)。
レギュレータで呼吸をしながら水面に顔を着け、水中を眺めたり、目をつぶったりして、自分の呼吸音に耳を傾けても落ち着きやすくなります。
抜くタイミング
耳抜きが苦手な方は、水面から抜きましょう。
30~50cmほど潜降すると、鼓膜に水圧による圧迫感を感じると思います。圧迫感を感じたら、そこよりも深く行かず、その水深で耳抜きをして下さい。
抜けていないのに水深を取ると、圧迫感はさらに増し、痛みを覚えます。その時点で耳を抜こうとすると、その水圧よりも強く耳管に圧を掛けなければならないので、耳管を傷めやすくなり、耳管内が炎症を起こして完全にふさがってしまうと、リバースブロックを起こします。
耳が抜けてない状態では、絶対にそれ以上深く行かないでくださいね。
水圧が軽いうちに、こまめにこまめに、早めに早めに、ゆっくりと抜く事を忘れずに。
バルサルバ法
人により抜きやすい方法が違うのですが、ここでは一番オーソドックスな耳の抜きの方法 “バルサルバ法” についてご説明致します。
バルサルバ法のメリットは
- 耳抜きのコツを掴みやすい
デメリットは
- 耳抜きの際、片手がふさがる
- 強く、勢いよく抜くと耳を傷めやすい
耳抜きの際の注意点に気をつければ、耳を傷めることなく、ダイビングを続けていく事が出来ます。
バルサルバ法の手順とポイント
バルサルバ法で普通に抜ける方は問題ないのですが、毎回 耳抜きに苦戦されておられる方は、下記をお読み頂き、実際にやってみて下さい。
手順が多いですが、これは実際に効果がありました。
- 鼻をつまむ
鼻から空気が漏れないように。 - 口からも息が漏れないようにする
- 目を閉じる
目も閉じた方が耳管に空気を送る意識をしやすくなります。
目から空気が漏れる方もいらっしゃるので、少し強めに瞑ってもOK。 - あごを上げて上を向き気味にする
気道確保の状態、上を向くと耳管が開きやすくなります。 - 鼻から息を出すようにゆっくりとイキむ
フンッ!と勢いよく抜こうとしても耳管は開きにくく、逆に耳管を痛めやすくなります。
内側から鼓膜に向けてゆっくりと(2~3秒くらい)圧を掛けていきましょう。
大きく息を吸ってから「んんんんんん~~~」というイメージです。 - 抜けたら音がして圧迫感が無くなる
耳がちゃんと抜けたら「ポコッ」「プシュ」などの音がして、圧迫感、違和感がなくなります。これが耳が抜けた時です。
この姿勢より
この姿勢で抜いてみましょう
もし抜けにくかったら
もし中々抜けない場合、少し水圧が掛かり過ぎているのかもしれません。
頭一つ分浮上して、その水深で抜き直してみましょう。
緊張から耳管が硬くなってるかもしれません。
水中でも耳の下後ろからあご骨の付け根までをマッサージしてみて下さい。
片方の耳は抜けたのに、もう片方の耳が抜けない事もよくあります。
その場合は抜けてない方の耳を水面に向けてから抜き直してみましょう。その際、しっかりと首を傾けて首の横の筋を延ばすようにしてみて下さい。
もし耳抜きの際に、隙間から空気が漏れるような「キューーー」のような音がしたら、耳管が炎症を起こして塞がりかけているかもしれません。
その場合はそれ以上深く潜るのは止めて、耳への負担を極力掛けないように、もしくは残念ですが無理せずダイビングを中止して下さい。
耳抜き~バルサルバ法~ まとめ
まず、どの抜き方であっても、体調が悪かったり、気持ちが焦っていたりすると抜けません。
体調管理、ダイビング前は首や肩をほぐし、深呼吸などでリラックスして気持ちを落ち着けましょう。
あごを動かしてほぐしておく事も大切です。
耳抜きは水面から。
耳に圧迫感を感じたら こまめに耳抜き、その際はゆっくりと耳に圧を掛けていきましょう。
勢いは耳を傷めます。
耳抜きは、圧迫感を感じたら、早めにこまめにゆっくり 早めにこまめにゆっくり。
もし中々抜けない時は、顔一つ分 浮上して抜き直してみましょう。
そして、耳抜きの苦手な方は、無理せず、ご自身のペースで潜れるダイビングショップを選ぶことも大切です。自分に合ったダイビングショップで、楽しいダイビングライフを!