バリ島ダイビング&シュノーケリングサービス jellyfish(バリ島くらげ村)でございます。
当サービスの名前にも使われている“jellyfish(くらげ)”。
でも、私達はクラゲについて 全然詳しくないんですね。そんな訳で ちょっと興味を持ちまして、ウェブで色々と検索をして調べてみました。その結果をもとに、クラゲの生態や成長過程などについてまとめてみました。
どうぞご覧ください。
クラゲの生態について
クラゲは魚ではありません。クラゲは海水や淡水中に浮遊生活をしている動物で、刺胞動物門に属します。心臓や脳を持たず、体はほとんど水分でできており、神経系は全身に張り巡らされていますが、中枢神経系もありません。体液の循環は傘の収縮によって行われます。
刺胞動物門とは、イソギンチャクやサンゴなども含まれる動物の分類です。クラゲは刺胞動物門の中でも、ヒドロ虫綱、十文字クラゲ綱、箱虫綱、鉢虫綱という4つの綱に分けられます。また、有櫛動物門のクシクラゲもクラゲと呼ばれることがありますが、これは別の動物です。
クラゲの種類
それでは、クラゲの種類について見ていきましょう。まず、ヒドロ虫綱に属するクラゲは、一般的に小型で透明なものが多く、海水中だけでなく淡水中にも生息します。代表的なものとしては、ミズクラゲやヒトヅルムシなどがあります。
次に、十文字クラゲ綱に属するクラゲは、傘の形が十字になっているものが多く、触手が長く発達しています。代表的なものとしては、エチゼンクラゲやミズダコなどがあります。
次に、箱虫綱に属するクラゲは、傘の形が四角形であることが特徴です。触手は4本で、毒性が強いものが多くあります。代表的なものとしては、ハブクラゲやカツオノエボシなどがあります。
最後に、鉢虫綱に属するクラゲは、傘の形が鉢型であることが特徴です。触手は多数あり、共生藻を持っているものが多くあります。代表的なものとしては、カイアシ類やイルカンジなどがあります。
クラゲの成長過程
次に、クラゲの成長過程について見ていきましょう。クラゲは一般的には傘のような形をしていますが、実はその形は成熟した形態であり、幼生期や成長過程では別の形をしています。
まず、卵からふ化するとプラヌラという幼生になります。プラヌラは細長くて毛細血管があるような形をしており、海中を泳ぎ回ります。
次に、プラヌラは基質(岩や貝殻など)に付着してポリプというイソギンチャクのような形態に変化します。ポリプは無性生殖によって増殖し、ストロビラというお皿が重なったような形態になります。
次に、ストロビラからエフィラという花びらのような形態が分離し、海中に浮遊します。エフィラは傘の縁に触手を持ち、プランクトンを捕食します。
最後に、エフィラが成長すると、私たちがよく知っているクラゲの形態になります。このとき、性的に成熟しており、卵や精子を放出して繁殖します。
このように、クラゲは卵から傘型の成体になるまでに、様々な形態を経ています。このような成長過程を持つ動物は他にはありません。クラゲは不思議な生き物ですね。
クラゲの生活
クラゲの生活について見ていきましょう。クラゲはプランクトンとして生活しており、水流に沿って漂っています。自力で泳ぐこともできますが、それは主に体液の循環を促すためであり、移動するためではありません。
クラゲは傘の縁にある触手や口腕に刺胞という毒を持つ細胞を持っています。これを用いて動物性プランクトンや小魚などを捕食します。口腕は口の周りにある触手で、捕えた獲物を口まで運びます。
一部のクラゲは共生藻を持っており、光合成産物をエネルギー源として利用することもできます。共生藻はクラゲの体内に住み着いており、光や二酸化炭素を利用して有機物を作ります。その一部をクラゲに分け与えています。
クラゲの生息域は世界中に及びますが、特に温帯海域で多く見られます。日本では北海道南部から南側で広く分布しています。大量発生する年があり、漁業や発電所などの施設に被害を与えることもあります。また、海水浴客が刺されて皮膚炎やアレルギー反応を起こすこともあります。
クラゲの繁殖方法
クラゲの繁殖方法は、有性生殖と無性生殖の両方を行うことができます。有性生殖では、オスとメスが卵や精子を放出して受精させます。無性生殖では、ポリプというイソギンチャクのような形態から分裂や分離によって増殖します。
それでは、クラゲの繁殖方法についてもっと詳しく見ていきましょう。
有性生殖
有性生殖は、オスとメスが卵や精子を放出して受精させる方法です。クラゲは一般的には傘のような形をしていますが、実はその形は成熟した形態であり、幼生期や成長過程では別の形をしています。卵からふ化するとプラヌラという幼生になり、基質に付着してポリプというイソギンチャクのような形態になります。ポリプは無性生殖によって増殖し、ストロビラというお皿が重なったような形態になります。ストロビラからエフィラという花びらのような形態が分離し、海中に浮遊します。エフィラが成長すると、私たちがよく知っているクラゲの形態になります。
このとき、クラゲは性的に成熟しており、卵や精子を放出して繁殖します。卵や精子は海中で受精し、新たなプラヌラ幼生を作ります。このサイクルを繰り返すことで、クラゲは有性生殖を行います。
有性生殖の利点は、オスとメスからそれぞれ遺伝子をもらえるので、多様なクラゲが生まれることです。環境の変化に対応できる可能性が高くなります。また、一度に多数の卵や精子を放出することで、大量発生することもあります。
有性生殖の欠点は、オスとメスが出会って放出するタイミングを合わせる必要があることです。これは偶然や条件に左右されることが多く、成功率が低い場合もあります。また、卵や精子は海中で他の動物に食べられたり流されたりすることもあります。
無性生殖
無性生殖は、ポリプというイソギンチャクのような形態から分裂や分離によって増殖する方法です。ポリプは基質に付着して底生生活を送りますが、その間に無性生殖を行います。無性生殖の方法には、種類によって、以下のようなものがあります。
- 横分裂:ポリプが横に二つに分かれる。
- 縦分裂:ポリプが縦に二つに分かれる。
- 芽出し:ポリプの側面から小さな芽が出て、それが独立する。
- 分離:ポリプの一部が切り離されて、それが独立する。
- ストロビレーション:ポリプが縦に多数の輪に分かれて、それぞれがエフィラとなる。
無性生殖の利点は、オスメス関係なく、自分で分裂て繁殖できることです。これはとても便利でスピーディです。また、再生能力が高く、切断されても再生できることもあります。
無性生殖の欠点は、同じ性質のクラゲしか生まれないことです。これは多様性が低くなり、環境の変化に対応できない可能性が高くなります。また、過剰に増殖することで、他の生物との競争や食物連鎖の乱れを引き起こすこともあります。
クラゲはなぜ半透明?
クラゲの体はほとんど水分でできており、その水分にはタンパク質や無機塩などが溶け込んでいます。そのため、クラゲの体は光をほとんど吸収せずに透過させることができます。これがクラゲの透明度の理由です。
それでは、クラゲはなぜ透明な体を持つのでしょうか?そのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
透明な体のメリット
透明な体を持つことのメリットは、主に以下のようなものがあります。
- 捕食者から身を隠すことができる。クラゲはプランクトンとして生活しており、水流に沿って漂っています。自力で泳ぐこともできますが、それは主に体液の循環を促すためであり、移動するためではありません。そのため、捕食者から逃げることが難しい場合が多いです。しかし、透明な体を持つことで、水中では目立たずに紛れることができます。特に深海では光が少なく、透明な体は有効なカモフラージュとなります。
- 獲物をおびき寄せることができる。一部のクラゲは発光する能力を持っています。発光する仕組みは種類によって異なりますが、一般的には刺胞や口腕などに発光物質を持つ細胞があります。この発光物質は刺激を受けると化学反応を起こして光を放ちます。この発光は捕食者から身を守るためだけではなく、獲物をおびき寄せるためにも使われます。暗闇の中で点滅する光に惹かれて近づいてくる獲物を捕らえることができます。
透明な体のデメリット
透明な体を持つことのデメリットは、主に以下のようなものがあります。
- 光合成を利用できない。一部のクラゲは共生藻を持っており、光合成産物をエネルギー源として利用することができます。共生藻はクラゲの体内に住み着いており、光や二酸化炭素を利用して有機物を作ります。その一部をクラゲに分け与えています。しかし、透明な体では光合成に必要な光エネルギーを受け取ることができません。そのため、透明なクラゲは共生藻を持つことができず、光合成を利用できません。
- 紫外線に弱い。透明な体では光を吸収しないので、紫外線も透過してしまいます。紫外線は生物の細胞にダメージを与えることが知られており、クラゲも例外ではありません。紫外線によってクラゲのタンパク質やDNAが傷つけられることがあります。そのため、透明なクラゲは紫外線の強い浅い海域では生きにくく、深海や曇りの日に多く見られます。
発光するクラゲ
発光するクラゲは、一部の種類に限られており、その仕組みや目的も様々です。発光する化学物質を体内で生成することが知られている全生物のうち80%は海に住んでいると言われています。その中でも、クラゲは発光のメカニズムやパターンが多様で、科学者たちの興味を引いています。
例えば、深海で最もよく見られるクラゲの一つであるクロカムリクラゲ(Periphylla periphylla)は、高度に発達した“防犯警報機”を備えています。捕食者に攻撃されると光を発し、その捕食者を食べてくれるより大きな生物を引き寄せようとします。
また、日本の深海に住むムラサキカムリクラゲ(Atolla wyvillei)も同様の戦略をとりますが、その発光パターンは「深海の花火」と称されるほど美しいです。このクラゲは傘の周囲に8つの赤い光を放ち、それが渦巻き状に回転しながら消えていきます。
一方、クラゲの一種であるオワンクラゲ(Aequorea)は緑色に輝きます。彼らはこれを実現するために、2つのタンパク質を利用しています。1つ目が実際に青い光を発するイクオリンです。2つ目がイクオリンの青い光を緑色に変換するエクオリンです。このエクオリンは生物学や医学の分野で広く利用されており、細胞内のカルシウムイオン濃度やpHなどを測定するための指示薬として使われています。
クラゲの発光は、体内の化学反応によって起こります。クラゲには発光する細胞があり、その中にはルシフェリンとルシフェラーゼという2種類のタンパク質が存在します。ルシフェリンは酸化されると光を放ちますが、その反応を促進するのがルシフェラーゼです。クラゲが刺激を受けると、ルシフェリンとルシフェラーゼが反応し、発光細胞から光が放出されます。
しかし、クラゲの発光色は青色から赤色まで様々です。これは、発光細胞に他のタンパク質が存在する場合があるからです。例えば、オワンクラゲは緑色に発光しますが、これはイクオリンという青色に発光するタンパク質と、GFPという緑色に蛍光するタンパク質が複合体を形成しているからです。イクオリンが発する青色の光をGFPが受け取り、緑色の光に変換して放出します。
クラゲは不死?
クラゲは不死と言われてるけど、本当?というのは、一概には答えられないことです。なぜなら、クラゲには多くの種類があり、その生態や寿命も様々だからです。
例えば、ミズクラゲの寿命は平均1年前後ですが、ベニクラゲは不老不死の能力を持つと言われています。
ベニクラゲは、直径数ミリ~1cm程度の小さなクラゲで、透けて見える消化器官が紅色だからその名がつきました。このクラゲは、命の危機を察知すると、成体から幼体(ポリプ)に戻り、再び成長して成体になることができます。このように、若返ることで死を免れることができるので、「不老不死のクラゲ」と呼ばれています。
しかし、ベニクラゲが本当に不死なのかというと、そうとも言い切れません。ベニクラゲは、捕食者に食べられたり、海水の温度や汚れなどの環境によって若返ることができない場合もあります。また、ベニクラゲの不老不死のメカニズムや進化の理由もまだよくわかっていません。
まとめ
以上、クラゲについてまとめてみました。まだまだわからない事だらけなクラゲ、不思議な生態や奇妙な成長過程を持つ魅力的な動物です。もっと詳しく知りたい方は、以下の参考文献やウェブサイトをご覧ください。
参考文献:
[1] Wikipedia
[2]【クラゲ】クラゲって動物なの?不思議な生態と奇妙な成長過程を解説!
[3] クシクラゲ.com
[4] 3世代によって繁殖方法が違う!ふしぎな生き物、鉢クラゲ
[5] くらげの幻想世界
[6] 海洋生物の多様性:発光するクラゲ
[7] 不老不死のクラゲ、解明すれば「人類の夢」が… 研究続けて40年