コブシメの感情の変化をダイビングでじっくり観察
コブシメは、コウイカ目コウイカ科コウイカ属に分類されます。
“コブシメ”という名前の由来は沖縄の“クブシミ”(「クブ」は“大きい”、「シミ」は“墨”、大きくて墨がたくさんとれるイカという意味合いからの呼び名)から来ていると言われています。
実はこのコブシメ、感情がすぐ表に出て、体表面の色や形が変わる、面白いイカなんです。
スキューバダイビングであれば、ビギナーダイバーさん・ブランクダイバーさんでも、その感情の変化をゆっくりと観察して頂けますよ♪
バリ島くらげ村の主観もやや入ってますが、コブシメの大まかな感情をご紹介致します。
まずは
こちらは「普通、平常心」時のコブシメです。
外套をヒラヒラ動かしながら フワ~っとホバリングし、じっとしている事が多いです。
そして
ちょっと赤っぽくなってますが、これは「警戒、興奮」時の体表面の変化。
怒ると
全身に白と黒の模様がざわざわと波立ち、表面に無数の突起が立ちます。
威嚇する時などの「怒り、攻撃的」な感情になると、こうなります。
身を守る時の防衛本能ですね。
また
産卵期に メスを取り合うオス同士の喧嘩の時も 白黒&突起が立ちます。
荒々しい オスの猛りっぷりが勇ましい( `ー´)ノ
しかし、
逃げる時は真っ白になり、体表面はツンツルテンになって、スーーーッといなくなります。
人間でいう顔面蒼白というやつでしょうか、「敗北、観念」の感情時の色と形です。
ダイビングでコブシメに出逢えたら、少し遠目からゆっくり観察してみましょう。
コブシメの感情を垣間見るのも、ダイビングの楽しみ方の一つ?!で、なんだか楽しいですよ♪
ちょっと怒ってるコブシメの動画
バリ島パダンバイのダイビング中、大きなコブシメを見つけまして、少し遠目から観察してたのですが、どうも気に入らないらしく ちょっと怒り(威嚇)気味でした。ゴメンナサイm(__)m
その際のショート動画、是非ご覧下さい~
如何でしょうか?
コブシメの感情の変化、外見から見てとれましたか?
あまり怒らせてストレスを与えないように、観察の際は少し離れたところからにしましょうね(*’ω’*)
コブシメの交接・産卵期
バリ島でもシーズンによって ダイビングでたま~に見る事ができる、コブシメの交接と産卵です。
まず、コブシメの交接ですが
コブシメの性別の見分け方は外套の模様で、縞模様がオス、水玉模様がメスになります。
コブシメの交接は、オスとメスが腕を絡ませクンズホグレツ行われます。
オスはメスに 交接腕と呼ばれる腕を使って 精莢(せいきょう)という精子の入ったカプセルを渡し、受精します。
産卵は
枝サンゴ(ユビエダハマサンゴなどのイシサンゴ)の枝と枝の間に、直径3cmくらいのピンポン玉のような卵囊(薄い膜に包まれた卵)を産み付けます。
コブシメの産卵は2~3日かけて行われ、1回の産卵で100~200個ほど産むそうです。
コブシメの卵が孵化するまで、約70日。
それまでに他の魚に食べられたり、せっかく孵化しても食べられたりで、生存率は1%ほどという事でした。
コブシメとコウイカの違いって?
コブシメはコウイカの亜種となりますが、見た目はかなり似ていて見分けるのは難しそう。。。
その違いはどこなんでしょう?
どちらも「軟体動物門頭足綱鞘形亜綱十腕形上目コウイカ目コウイカ科コウイカ属」で、かなり近い親戚です。
そして、どちらも外套膜背面の中には、
こんな骨が入ってます。
ビーチに打ち上げられたり 海の中で見かけたりすることもあるかと思います。
甲、シェルなどと言われる この骨の粉末は“イカ粉”と呼ばれ、インコや文鳥のカルシウム補給にエサに混ぜられたり、弓道場のすべり止めに使われたり、結構需要があるそうです。
では、いったいどこが違うのでしょうか?
それは 大きく違うのは、生息域と体長です。
コブシメ
- 成長すると体長50cmを越えるものもいるコウイカ科最大種
- サンゴ礁域に棲息
コウイカ
- 成長しても体長20cmほどにしかならない小型のイカ
- 砂泥地、砂泥の底近くに棲息
大きいコブシメと出逢えたなら「コブシメ」と分類できますが、小さかったら「コブシメの子供?コウイカ?」と迷ってしまいますねwww
ですので、生息域で見分けを付ける方が良さそうです。
バリ島のダイビングポイントでも、砂泥地のポイントで着底して休んでる小ぶりのコウイカをたまに見かけます。それなら「コウイカ」と分類しても間違いなさそうです(*’ω’*)
ただ、コウイカにも “紋甲イカ(カミナリイカ)” “シリヤケイカ” “ハリイカ” など、似たようなコウイカ属が世界では80種(日本近海では30種)いるとされており、見分けるにはまだまだ勉強が足りません。は~ん( ;∀;)
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