バリ島ダイビング&シュノーケリングサービス jellyfish(バリ島くらげ村)でございます。
スキューバダイビングとは、自給式水中呼吸装置(スキューバ)を使って、海や湖などの水中を自由に潜ることができるスポーツで、海の生物や景色を間近に見ることができるだけでなく、ダイバー同士の交流や冒険も楽しむことができます。
スキューバダイビングが今のようにレジャースポーツとして広まるまでには、長い歴史がありました。今回は、スキューバダイビングの歴史と、現在活動している主な指導団体の違いについて紹介します。
スキューバダイビングの歴史
スキューバダイビングの歴史は、大きく分けて以下の4つの時代に分けることができます。
素潜り時代

人類は古くから海に潜る活動を行ってきました。食料や貝殿などを採集するために、素潜りで海に潜ることは、世界中の多くの文化で行われていました。
日本でも、海女と呼ばれる素潜り漁業が古くから行われており、現在でも伝統的な技術を受け継いでいます 。
素潜りでは、呼吸を止めて潜るために、潜水時間や深度に限界がありました。しかし、素潜りは、人類が海との関わりを深めるきっかけとなりました。
潜水器時代

19世紀に入ると、人類は海の探索や開発を進めるために、潜水器という装置を開発しました。潜水器は、空気を送るポンプやホースを使って、潜水者に呼吸できる空気を供給する装置です。
潜水器の一種であるヘルメット式潜水器は、潜水者の頭にヘルメットをかぶせて、空気を送り込む仕組みでした。ヘルメット式潜水器は、素潜りよりも長時間潜水が可能になりましたが、潜水者は重い装備を身につけて、ポンプやホースに繋がれているために、自由に動くことができませんでした。
日本にも1857年に最初の潜水器が輸入され、沈没船の修復や珊瑚やアワビの採取などに使われました 。潜水器は、人類が海の深さを知るきっかけとなりました。
アクアラング時代

1943年に、フランスのジャック・イヴ・クストーとエミール・ガニアンが、アクアラングという自給式水中呼吸装置を開発しました。
アクアラングは、高圧の空気を入れたタンクを背負い、レギュレーターという装置を使って、潜水者の呼吸に合わせて空気を出す仕組みでした。潜水器と違って、潜水者が自由に動くことができるという画期的な発明でした。
アクアラングは、現在のスキューバダイビングの原型となりました 。クストーは、アクアラングを使って、世界中の海を探検し、映画や本などでその美しさや不思議さを伝えました。アクアラングは、人類が海の魅力を感じるきっかけとなりました。
レジャースポーツ時代

第二次世界大戦後、沖縄にいたアメリカ人がアクアラングを使って潜っていたことで、ダイビングが日本中に広まりました。
1953年に世界で最初の潜水指導団体BSACがイギリスで設立され、1960年にはアメリカでNAUIというダイビング指導団体の設立を皮切りに、PADIやSSIなどの指導団体が次々と設立されました。
1970年代以降に、ダイビングが本格的にレジャースポーツへと変わっていきました。多彩なコースや教材、オンラインでの学習などが提供され、ダイビングの魅力や楽しさが伝えられ、1989年には日本でも日本スキューバダイビング協会が設立され、業界の発展や安全性の向上に努めました。
現在では、ダイビングは世界中の人々に親しまれているスポーツであり、海の生物や景色を楽しむことができます。
また、ダイビングと関連のあるスポーツとして、呼吸装置を使わないフリーダイビングも人気があります。
スキューバダイビングの指導団体の違い
スキューバダイビングを始めるには、指導団体の発行するライセンスを取得する必要があります。
ライセンスは、ダイビングの基本的な知識や技術を身につけたことを証明するものであり、ダイビングショップやツアーに参加する際に必要となります。
その中の主な指導団体を4つご紹介します。
BSAC(British Sub-Aqua Club)

BSACは、1953年にイギリスで設立された、世界で最古のスキューバダイビングのクラブです。
設立当初は会員制であり、インストラクターもボランティアで活動しています。
冒険心と探究心を重視しており、高度なスキルや知識を身につけることができますが、BSACディーラーが少なく、選ぶ幅が狭いのでデメリットです。
BSACのライセンスは、世界中で通用します。
NAUI(National Association of Underwater Instructors)

NAUIは、1960年にアメリカで設立されたスキューバダイビングの指導団体です。
安全第一をモットーにしており、厳しい基準でインストラクターを養成しています。
日本では比較的少数派ですが、高い技術力と信頼性を誇ります。
元々“潜水職人”が設立した団体だけに、コース基準が厳しいのがメリットでありデメリットでもあります。
NAUIのライセンスは、世界中で通用します。
PADI(Professional Association of Diving Instructors)

PADIは、1966年にアメリカで設立された、世界最大級のスキューバダイビングの指導団体です。
楽しく学べるというコンセプトで、多彩なコースや教材を提供しています。
日本では最も普及しており、世界中で通用するライセンスを取得できます。
世界最大の潜水団体でPADIディーラーはどこにでもあるので、選ぶ幅は広いのがメリットです。ですが、コースやレベルアップの基準が低く、インストラクターは個人登録で活動できるので、クオリティーが安定せず、事故やクレームが多いのも事実です。
PADIのライセンスは、世界中で通用します。
SSI(Scuba Schools International)

SSIは、1970年にアメリカで設立された、世界最大級の大きなスキューバダイビングの指導団体です。
PADIと同様に楽しく学べるというコンセプトですが、学科講習のオンライン化も早く、個人のペースに合わせた指導を行っています。
インストラクターはディーラーに所属しないと活動できない為、インストラクターの質も高いと言われています。SSIディーラーも数多くあり、指導方法や経験本数に合わせたレベルアップシステムが評価されています。
SSIのライセンスは、世界中で通用します。
まとめ
スキューバダイビングは、人類が海との関係を深めてきた歴史の中で、発展してきたスポーツです。
現在では、多くの指導団体が存在し、それぞれに特徴やメリットがあります。どの指導団体を選ぶかは、個人の目的や好みによって異なりますが、どの指導団体のライセンスでも、他の指導団体のダイビングショップやツアーに参加することができます。
ここで大事な事は、ダイビング指導団体で選ぶのではなく、「ご自身に合ったダイビングショップを選ぶ」事です。
指導団体は、ある程度メジャーなら世界中どこでも通用します。しかし、ダイビングショップはそれぞれ個性があり、やり方や考え方が違い、あなたに合わないダイビングショップを選んでしまうと“ダイビングって面白くない” で終わってしまうかもしれません。
スキューバダイビングは、世界中のダイバーと仲間になれる素晴らしいスポーツです。
ぜひ、メジャーな指導団体の あなたに合いそうな良いダイビングショップを見つけて、スキューバダイビングの世界を楽しんでください。